自動車にキャリア(以降、ベースキャリア※のことを指す)をつけて走っていると、どうしても風切り音が発生します。
※ベースキャリアとは自動車の上(ルーフ上)に各種のアタッチメントを装着する事でスキーやキャンプ用品などさまざまなものを運ぶ事が出来るようにする為のベースになるものを指します。
ベースキャリア/キャリアベース/ベースラック/カーキャリア/ルーフキャリア/システムキャリアなどいろいろな名称で呼ばれています。
普段は、窓を閉めて自動車を走らせているのですが、夏場や気候のいい季節、春や秋の天気のいい日は窓を開けて走らせると、とても気持ちがいいですよね。
ところが、自動車にキャリアをつけていると、どうしても風切り音が発生してしまいます。
時速30キロ以下程度であれば、そんなに気にはならないのですが、それを超えたあたりから「ビュービュー」といった音が耳について、せっかくのいい気分が台無しです。
※窓を閉めていても音がするほどひどい場合もあります。機密性の低い車などはこの傾向にあります。
それならば、キャリアを外せば良いのでは?と思われますが、このキャリアというものは、脱着を繰り返すと自動車本体に傷をつけるリスクが大いにあるものなのです。
それにいざ外してしまうと、自動車の横幅くらいある棒が2本とアタッチメントの塊4つの置き場に困ることになります。
そういったこともあって、一度装着すると年中そのままという方が多くなるのです。ウィンタースポーツ用に取り付けして、夏にはアタッチメントを交換してキャンプ用品を積んだり、自転車用のアタッチメントを付け替えたり、用途は多々あるので、結構重宝します。
そのため、シーズンごとにキャリアを外さないという前提のもとでは、風切り音は切っても切れない関係にあります。
では、どうしたらこの風切り音を防げるのでしょうか。
それは、「フェアリング」と呼ばれる強化プラスチックの板を、車体とキャリアの間に風よけとして設置するだけで軽減できるのです。
フェアリングとは
フェアリング(Fairing)とは空気抵抗を減らす為に飛行機やオートバイ等に被せる部品。「整形する」といった意味を持つ。
- 航空機 : カウル(en:Aircraft fairingも参照のこと)
- ロケット : ペイロードフェアリング
- 自転車 : フェアリング (自転車)
- オートバイ: カウル
- ケーブル: ケーブルフェアリング
※この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたウィキペディアの項目「フェアリング」を素材として二次利用しています。
本来「フェアリング」とは、エアロパーツの総称のような意味なのですが、ことキャリアの世界?ではベースキャリアの風よけ用の板のことを「フェアリング」と呼びます。
効果あるの?
え?そんなことで風切り音が軽減できるの?と正直思いますよね?
これが嘘のようなホントの話で、たったこれだけで風切り音が軽減されるのです。
よくTVCMなどで白い煙が自動車の上を綺麗に流れていく画像がありますが、まさにあの状態をキャリアを積んだままで作り出せるのです。
風切り音が発生するのは、キャリアと車体の間を空気が通る時、空気との摩擦で音が発生しているからです。
摩擦が発生する時点で、車には空気抵抗が生まれますから、燃費も悪化するといったおまけも付いてきます。
ですが、この「フェアリング」を付けることによって、空気の流れを変えて受け流し、摩擦を少なくすることで風切音を防いでくれるのです。
当然、後付けの装備だし、取付する車に対しての専用設計ではないので、風切音や空気摩擦を完全になくすことはできませんが、かなりの効果があります。
どのフェアリングを付けたらいいの?
一概に「フェアリング」といっても、色々なメーカーから発売されています。
どれを取り付けすれば良いのかというと、所有されているキャリアメーカーと同じメーカーのフェアリングを装着するのが一番安全です。
走行中に外れてしまい、後続車に当たって大事故発生!なんて洒落にもなりませんから。
各メーカーから専用のフェアリングが発売されていますので、所有されているキャリアと同メーカーの物であれば、何の問題もなく取付が可能なはずです。しかし、専用のフェアリング設定がないメーカーもありますので、その場合は、汎用設計されたものや、他社製のフェアリングを流用して使用できる場合がありますので、確認してみてください。
※他社製品を流用して取り付ける場合は、ご自身の判断と責任において行ってください。当ブログでは、決して流用を推奨するものではありません。
取り付けてあるバーの形状で流用可否も変わるので十分注意が必要です。流体形状のものと、スクウェア形状のものとで取り付け可否が決まる場合もあるので。
スクウェア形状のバーを使用している場合は、ほぼ各社共通使用の為、アタッチメント等が流用可能なものが多いので、このフェアリングの取り付けも同様にできるものが多いです。
THURE(スーリー)
INNO(イノー) など
※TERZO(テルッツォ)は一体型の物が多く、単体での設定が見当たりませんでした。
メーカーからの販売がない等でお探しの際は、汎用設計されているYAKIMA製のフェアリングをご使用いただくのが良いかと思います。
メーカーを統一させたいが、予算的な問題で流用物を使用する場合は、ロゴをステッカーなどで隠せば、気にせず使用できます。欲しいメーカーのステッカーを上から張ればなんちゃって純正品に早変わり?しますので、気分的に問題なくなります。あくまでも気分的にですが。
また、このフェアリングには、長さ(横幅)が異なるものが存在しますので、車体の幅(ルーフの横幅、リーフレール内側の幅)をよく確認してから購入するようにしましょう。
そうしないと長さが足りなかったり、長すぎて車体からはみ出したり、はまらなかったりと悲惨な目にあいますので。
まとめ
ルーフキャリアを装着したけど、どうしても風切り音が気になる方は、この「フェアリング」を装着してみてはいかがでしょうか。
見た目も、車との一体感が増し、とても恰好が良くなります。
それでいて、性能が上がるならば儲けものですね。
値段も安いものは10,000円前後からありますから、そこそこの値段で手に入りますので、ご検討されてはいかがでしょうか。
自分好みにステッカーを張れば、自分専用のカッコいい装飾品の出来上がりです。
車本体だとステッカーをはがすのに苦労しますが飽きたら別のステッカーを上から貼るとか、フェアリング自体を取り外してからシール剥がしを使用すれば、車体にダメージを与えることなく剥がせるので、お勧めです。取り付け時、工具がいらないので、作業も簡単ですしね。
私は、軽自動車でINNOのフェアリングを使用していますが、車体のルーフに当たる部分にはきちんと保護シールが付属していたり、取付が手回しのねじのみで工具不要だったりと、取付もとても簡単でした。
また、見た目も派手なことはなく、車との一体感も出てちょっとカッコいいなと思ってしまいました。
性能は、前述の通り、風切音はほとんどしません。高速道路で使用しても全く問題なく、安心して使用しています。
キャンプ道具や、自転車の積載の場合に必要なアタッチメントを取り付けするのに必要なキャリアを、ただの棒からお洒落アイテム、かつ、空気抵抗、風切り音低減までこなすただのプラスチックの板ならぬフェアリング。貴方の愛車のドレスアップ兼実用装備として取り付けてみてください。惚れ直してしまうかも知れませんよ。